お知らせ

科学・アート・コミュニティで創る地球環境変動に対する私たちのビジョン

Our Vision for Global Environmental Change created by Science, Art, and Community

地球環境問題を自分ごとにするには?このプロジェクトではサンゴの年輪による高解像度の環境復原を基盤に、ヒトと自然の関係から生まれた地域固有の在来知と地球規模の変動に埋もれた地域課題を見出します。アートを媒介として地球環境問題の自発的な解決に向けた地域社会のあり方を議論し、共感を得やすい地域社会像を得るための未来集合知を創造します。

地球環境変動は、気候・地理区分と海洋・陸上の生態系の分布に大きく関わるとともに、人の移動や定住、文明の盛衰、生活様式など、私たち人間の社会にも強く影響してきました。その過程には外的、内的な要因により維持された知(在来知)が存在し、現代の我々が将来起こりうる未曾有の環境変動を乗り越えるにあたり選択肢となり得ます。しかし、近年の経済発展や人口増加、グローバリゼーションによる生活様式の一元化によって、在来知が失われ、社会は気候変化や環境事変に対してさらに脆弱になるかもしれません。この研究では、サンゴ骨格年輪を中心とした高解像度の環境復原と、地域のステークホルダーの記憶や現代の我々の心情や行動をもとに、自然(サンゴ)の記憶と人の記憶を重ね合わせることによって、人と自然の関係の高解像度データを導出することを発想しました。その科学的なデータを、アートを媒介とすることによって異分野の研究者や地域のステークホルダーと共有し、地域における在来知を再評価します。さらに将来の地球環境変動に対してレジリエントであり、共感を得やすい地域社会像を得るための未来集合知を創造することを目指しています。

As the effects of global environmental change become more pronounced, recent economic development, population growth, and the centralization of lifestyles due to globalization may make societies even more vulnerable to climate change and environmental incidents. Global climate change and the occurrence of sudden disasters have significantly impacted how people think and act in the process of shaping their communities. The project SceNE will re-evaluate the local indigenous knowledge based on scientific findings and incorporate art to create a more sympathetic image of the local community. The project SceNE aims to create a future collective understanding of the region and humanity by re-evaluating the traditional knowledge of the region based on scientific findings and incorporating art to create a more sympathetic image of the community.

参加するには?

Project SceNEではどんな人も自然もアートもサイエンスも並列です。アクションによって参加する方法が変わります。いろんなアプローチでプロジェクトに触れて、未来を考えるきっかけになったらうれしいです。

みる WATCH

制作したものや、発表をみる

きく LISTEN

講演や音楽を聴く

よむ READ

みんなが書いたものを読む

はなす TALK

SceNEゼミ、プロジェクトで実施するワークショップなどで話す

であう MEET

プロジェクトと出会うきっかけになるイベントやフィールドワーク

つくる CREATE

未来のビジョンを一緒に制作する

最新の プロジェクト ステートメント

サンゴとヒトの記憶が様々な時空間で交差する。科学とアートの融合によってサンゴから視える世界とヒトが理解している世界を橋渡し、それぞれの場に生きる人々とわかちあいながら、激化する気候変動と縮退する社会における新しいモデル、未来集合知を創設することを目指します。

サンゴは数億年の激しい地球環境の変動の中で進化や適応を繰り返してきました。満月のある夜に生まれた一匹の小さなサンゴの幼生が海底に着底して石灰化を始めます。分裂を繰り返し数十年から数百年間をかけて様々な形状をもった群体をつくり、さらに、数千年の時間をかけサンゴ礁という地形を造りあげます。やがて、数万年以上の歳月を経て人間の生活や文化を支えるサンゴ島を形成します。このようにサンゴは、多元的で多層的な時空間構造を持ちますが、それはサンゴの“敏感性”と“強靭性”の二つの相反するように見える特性によっています。 一方で、アフリカで誕生したヒトも移動と拡散をしながら家族、集落、社会など多層的な時空感スケールでの関わりの中で歴史と文化を育んできました。

喜界島は過去10万年もの間隆起を続けており、過去から現在の様々な時代のサンゴ礁を観察できる世界的にも稀有な島でサンゴ礁科学の聖地とも呼ばれています。1万年以降には現在と変わらない場所に遺跡が発見されヒトが持続的に住んでいたことがわかります。また、近代に入ってから現在に至るまで琉球王国や薩摩、アメリカの支配をうけながらも30余ある集落の文化的多様性はいまだに高く維持されておりサンゴ礁文化が根付いています。100年後に残す、という理念のもと喜界島にサンゴ礁の研究所を立ち上げてから9年間が経ちました。今、この物理的に小さい島に、自然科学や人文社会学などの専門分野の研究者、アーティスト、そして若者など異文化・多世代の様々な人が集まり、科学とアートそしてコミュニティの融合から生まれる新たなフレームワークの中心に次世代を担う若者が集まり育っています。

SceNEプロジェクトでは、過去から現在、そして未来における地球環境と社会変動を様々な時空間スケールを扱います。そして、学際的な研究者やアーティスト、地域、企業のコミニュティで活動している人々が参画して人新世と呼ばれる社会変動と気候変動が同時に交差しながら変動していく時代における新しいモデルを構築していきます。 サンゴに刻まれた過去の様々な記憶(環境)を自然科学の最先端の手法を用いて高時間解像度で復元し、ヒトに内包された記憶と共に演劇による現象学的還元を行います。その過程と作品から両者の関係性を検証し地域の人のフィードバックからさらに解像度をあげ、未来における共感力の高いイメージを探ります。

2023. 11.14 渡邊 剛

総合地球環境学研究所とは?

地球環境問題の解決に向けた学問を創出するための総合的な研究を行っている大学共同利用機関。地球環境問題に研究と実践で取り組む研究所です。Project SceNEはその中の主要なプロジェクトのひとつです。

https://www.chikyu.ac.jp